関東の人気城跡、四選(第二弾)

唐沢山城址

関東の城跡のなかで「日本名城100選」「続日本名城100選」に選定されている4ヶ所を紹介します。

鉢形城(埼玉県寄居町)<日本名城100選>

鉢形城(はちがたじょう)は戦国時代の代表的な城郭跡。1476年山内上杉氏の家臣長尾景春が築いたと伝えられています。国指定の史跡。

秩父鉄道「寄居」駅より徒歩20分。

城の中心部は荒川と深沢川に挟まれた断崖絶壁の上にあり、天然の要害に守られていました。

「二の曲輪」跡を見ると、鉢形城の規模が広大だったことがわかります。

二の曲輪と馬出を結ぶ木橋。馬出は虎口(入口)の外側を守るために作られた小さな曲輪のこと。虎口と馬出は堀で区切られています。

三の曲輪では戦国時代に存在していた石積み土塁や四脚門が復元されていました。

本曲輪跡は城主の館があった場所。

外曲輪には鉢形城址のガイダンス施設として「鉢形城歴史館」があります。

唐沢山城(栃木県佐野市)<続日本名城100選>

唐沢山、標高247mの頂上にある山城。関東一の山城と称され、城跡は国の史跡に指定されています。
築城は927年に藤原秀郷によって築かれたのが始まりとされています。

JR佐野線「田沼」駅より徒歩40分。舗装された歩きやすい道ですが、途中からはなだらかな坂道が山頂まで続きます。

現在、本丸跡は藤原秀郷を祀る唐沢山神社になっています。

関東の古城には珍しく高い石垣が築かれているのが特徴です。本丸跡の高石垣はこの城跡一番の見所。

現在の唐沢山神社の参道が、かつての大手道

城跡内には2ケ所の井戸が残されています。
「大炊井戸(おおいのいど)」は口径9m、深さ8mの大きな井戸。昔から枯れることなく、こんこんと豊かな水が湧き出ています。
本丸跡にも深さ25m余りの井戸が残されています。

唐沢山神社の社務所がある「南城跡」からの景色。

休憩場所では数匹の猫たちが訪れる人たちに愛想を振りまいています。テレビにもよく出てくる人気者です。

「天狗岩」からの関東平野を一望する絶景

”切り立った岩と松”一幅の絵画のようです。

足利氏館(栃木市足利市)<日本名城100選>

足利氏館は現在、鑁阿寺(ばんなじ)の境内になっています。12世紀末、足利義兼が築城したという説が有力。
水堀りと土塁に囲まれた鎌倉時代の武士の居館の典型といわれています。城跡としてのイメ-ジとは少し違います。

JR両毛線「足利」駅より徒歩7分。

敷地内を巡ってみましたが、城郭の遺構として見られるのは水掘りのみです。
素直に寺院と見た方が良さそうです。
(拝観時間=9:00~16:00、入場無料)

鑁阿寺は真言宗大日派の本山。本堂は国宝に指定された貴重な建物です。

他にも国重要文化財の「燈籠」「一切経堂」、県重要文化財の「多方塔」「楼門」など多くの文化財が見られます。

天然記念物に指定されたイチョウの古木

付近には「史跡 足利学校」(足利市昌平町2338)、「足利織姫神社」(足利市西宮町3889)などの名所があります。

佐倉城(千葉県佐倉市)<日本名城100選>

佐倉城は戦国時代中頃に千葉氏の一族、鹿島幹胤(もとたね)が築いた中世城郭が原型とされています。
のちに江戸時代初期、佐倉に封じられた土井利勝によって本格的に平山城が築造されました。

佐倉城は標高30mの鹿島山西端に位置します。北には印旛沼があり、西と南は鹿島川・高崎川が流れる低湿地。

石垣は使われておらず、土塁と空堀で守りを固めています。

馬出し空堀

本丸、二の丸、三の丸が良好な状態で残されています

城跡の発掘調査で出土した佐倉城の「礎石」

本丸跡は堅固な土塁で囲まれています。

公園内には「国立歴史民俗博物館」があります。公式HPはこちらです。