静岡県三島市は「三島溶岩流」と呼ばれる溶岩の上に街が形成されています。
富士山の雨水や雪解け水が溶岩にしみこんで地下水となり、ながい歳月を経て市内の随所に湧き出ています。
この湧き水を利用した憩いの場が市内には多くあります。
三島駅からすぐの「楽寿園」。三島溶岩流の地形を利用した市立公園です。
「小浜池」はかつて湧水が豊富に湧き出る池でしたが、近年は地下水位が下がり渇水期が長く続いています。
1万年前の三島溶岩がむき出しになった池底。荒涼とした景色も面白味があります。
池の向こうには「楽寿館」
楽寿館は(明治維新に活躍した)小松宮彰仁親王が明治23年に別邸として造営。
野口幽谷など、明治を代表する6人の日本画家による装飾絵画は必見です。
”のりもの広場”や”どうぶつふれあい広場”は家族連れで賑わっています。
楽寿園の東側に隣接する「白滝公園」。ここでも溶岩流の末端から地下水が湧き出ています。かつては滝のように水量が多かったようです。
からくり人形の「めぐみの子」。人が近づくと「三島のお水を さあどうぞ」とお喋りを始めます。
「よいしょ、よいしょ」との掛け声と共に水を汲んでくれます。うれしいサ-ビスですね。
駅近くとは思えないほど清流の桜川。三島大社近辺まで流れています。
「三島大社」は伊豆国の”一の宮”で静岡県を代表するパワ-スポット。
総ケヤキ素木づくりの御殿は国の重要文化財
国の天然記念物、樹齢1200年を超える「金木犀」の巨木。
9月から10月頃になると甘い香りを付近に漂わせます。
寿楽園の南側に流れる「源兵衛川」を川伝いに歩きます。
一時期、小浜池の水源が枯渇したため澱んだ川となりました。
そこで地元企業から”冷却水”の供給を得て川に放流。今では昔のような美しい水辺環境を保持しています。
源兵衛川は「平成の名水百選」に選ばれました。
寿楽園に近い上流側で、特に美しい水辺の景観が見られます。
置き石を並べた遊歩道が続いています。
下流側を国道1号線まで歩きます
「伊豆箱根鉄道」の電車が撮影できる小さな鉄橋
隣町の清水町に位置する”日本三大清流”「柿田川湧水公園」(清水町伏見72-1,JR三島駅南口4番のりばに乗車し、柿田川公園前下車)
車の往来が激しい国道1号線からわずか数十メ-トルの所に、自然豊かな別世界が広がっています。
「第一展望台」は柿田川の最上流部です。
国道下から富士山の雨や雪が地下水となって湧き出ています。
柿田川は全長1,2km、日本一短い一級河川。川の流れのほとんどが湧水を水源としており透明度は抜群です。
展望台からも湧水が湧き出ている様子がよくわかります。清流に現れるカワセミが飛びまわっていました。
通称”ブル-ホ-ル”と呼ばれる「第二展望台」
昔、紡績工場が井戸として使用していたもの。深さ3,5m×直径5mの巨大な穴です。
怖いほどに深さが感じられ、今にも身体が吸い込まれそうです。
渓流広場の木道から見る柿田川は秘境感でいっぱい
柿田川は国指定天然記念物、「日本の名水百選」にも選出された”湧水の聖地”です。
美しい水辺の景観は私たちに癒しを与えてくれます。ストレスで疲れを感じた時、三島市・清水町にはリフレッシュできる場所がつまっています。