日本遺産「行田」をまるごと散歩

忍城、御三階櫓

埼玉県行田市は2017年「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」のスト-リ-で日本遺産に認定。
人気だったテレビドラマ「陸王」の影響もあり”足袋のまち行田”が一躍注目されました。今回日本遺産関連の名所を巡ってみます。

秩父鉄道の行田市駅から歩いて5分「足袋とくらしの博物館」

元々は牧野本店という足袋屋の工場でした。その後2005年に博物館として活用。当時の面影がそのまま残されている建物です。(入場料大人200円)

足袋に関する展示のほか、職人さんによる実演も行われています。

博物館から歩いて10分、「忍城址」

忍城は関東七名城の一つ。室町時代の初めに築城され、広大な沼地を生かした堅固な構造でした。
戦国時代の終わり豊臣秀吉の北条討伐に際して、石田三成に水攻めされた城として知られています。果敢に耐えぬいた逸話から「浮き城」とも呼ばれ、映画「ろぼうの城」で一躍脚光を浴びました。

復元された櫓「御三階櫓(ごさんかいやぐら)」は現在、「行田市郷土博物館」となっています。

花を浮かべた手水鉢が「復元門」や「忍城の鐘の碑」の前に置かれています。行田では訪れる人々をもてなすため、民家や商店などの軒下に花手水が飾られます。
(通常は毎月1~14日に実施)

「水城公園」はかつて忍城の城内だった所。

「あおいの池」ではホテイアオイがちょうど満開。南米原産で繁殖力が旺盛のため生態系を壊す外来種に指定。しかし可憐で美しい紫色の花を咲かせます。

次の目的地「さきたま古墳公園」へ。

入口に”めざせ世界遺産!”の看板。地元の方々の熱意が感じられます。ここから「埼玉」という地名が生まれています。

この公園には大きな古墳が数多く集まっています。今から1300年から1500年前くらいに造られた古墳です。

「丸墓山古墳」は一番目立つ大型の古墳。直径が105mもあり円墳では日本最大規模です。墳丘の上からは公園が一望できます。

墳丘には数本の桜の木が植えられています。桜の開花時期になるとここの”古墳と桜”の映像がメディアでよく使われています。

公園内には大きい古墳だけでも9基あります。稲荷山古墳も墳丘まで登ることができます。
二子山古墳は埼玉県最大の前方後円墳でその名の通り側面から見ると二つの山のようにに見えます。
「さきたま史跡の博物館」ではさきたま古墳群やその周辺の遺跡の出土品が展示されています。(入場料一般200円)

付近の見所

【 古代蓮の里】・・・行田市小針2375-1
古代蓮の里 は多くの種類のハスが鑑賞できる公園。もう一つ人気となっているのが展望タワ-から見る「田んぼアート」。その規模はギネス世界記録に認定されています。
2016年のテ-マはゲ-ムキャラクタ-「ドラゴンクエスト」。稲による巧みな色使いに驚ろかされました。

【利根大堰(おおせき)】・・・行田市須加
日本でも屈指の規模を誇る堰。利根川と堰の雄大な景色は必見です。
ここにはサケの遡上を助けるため「魚道」が造られています。遡上の様子をライブカメラで観察できる施設も併設されています。

【八幡山古墳】・・・行田市藤原町1-27-2

直径80mの大型の円墳。前・中・後室の3室からなる全長16.7mの石室があります。
その規模と外観が奈良県の「石舞台古墳」に匹敵することから「関東の石舞台」と呼ばれています。

見学は自由ですが、石室内の公開は土、日、祝日のみです。住宅地に囲まれた場所に位置しています。

【オ-トレストラン 鉄剣タロ-】
1988年開業の人気ドライブインで「レトロ自販機」の聖地でした。2020年5月にコロナの影響もあり閉店。


メディアでも度々とりあげられていた有名店。映画「TOKYO TRIBE」や「ズタボロ」のロケ地でした。
貴重なレトロ自販機が勢ぞろいです。ハンバーガーとホットサンド、そして天ぷらそばを頂きました。閉店は本当に残念です。

行田市は決して派手な観光地ではありませんが、何度でも訪れてみたいと思わせる場所です。