日光「滝尾古道」を歩く

滝尾神社 社殿

日光市の「滝尾(たきのお)古道」は滝尾神社へと続く石畳の小径。
滝尾神社は「輪王寺」が建立される以前、神仏習合の中心地として多くの堂舎が建ち並んでいました。
歴史ある古社ながら観光地化されておらず、女峰山の麓にひっそりと佇んでいます。
知る人ぞ知る、隠れ家的なパワ-スポットです。
神橋から滝尾神社の日光史跡探勝路(滝尾神社コ-ス)を歩いてみます。片道約1時間の行程。

まず日光駅から歩いて日光社寺方面に向かいます。25分ほどで神橋の隣に架かる「日光橋」に到着。

「日光橋」を渡り右手にある階段を上ってすぐ、「本宮(ほんぐう)神社」があります。
日光二荒山神社の別宮で、滝尾神社と共に歴史ある古社。日本三大権現の一つです。

隣接する「四本龍寺」は日光で最も古く建立されたお寺。勝道上人がこの地に草庵を結んだのが、日光開山の始まりと伝えられています。
”四本龍寺”自体は、既に現存しない寺院で「観音堂」と「三重塔」のみが残されています。
かつては本宮神社の別当寺でした。

本宮神社、四本龍寺共に訪れる人も少なく、ひっそりとしています。どちらも世界遺産「日光の社寺」の構成遺産です。

コ-スの途中にある”オムライス”が人気の西洋料理レストラン「明治の館」
昼時だったせいもあり、相当の混雑ぶりです。明治時代に建てられたお洒落な洋館。

「開山堂」は朱塗りで重層宝形造りのお堂。日光山の開祖、勝道上人の霊廟です。
毎年4月1日には、開山会法要が堂内で行われます。

開山堂の敷地内にある「香車堂」。将棋の駒”香車”が奉納されています。この神社は”安産祈願”にご利益があるとして信仰を集めています。
香車は「まっすぐに進むのみ」の駒で、安産を祈る意味があります。
神社の香車の駒を持ち帰り、出産後は借りた駒と共に新しい駒を一緒にお返しするという習わしです。

ここから先は石畳の参道が続きます。

鬱蒼とした林に囲まれた静かな小径。

参道を暫く行くと目的地「滝尾神社」です。滝尾神社は弘法大師の創建と伝えられています。本宮神社・日光二荒山神社と共に勝道上人の神仏習合の歴史を伝える重要な場所。

社殿に向かう階段脇にある「白糸の滝」。天狗沢にかかる落差約10mの名瀑です。
弘法大師が修行した滝として知られています。

階段を上るとちょっとした運試しができると評判の鳥居があります。
小石を3つ投げて、鳥居の額の真ん中にある穴に通すと幸運を招くと。
小石を通すのはなかなか難しそうです。暫く見ていましたが成功された方はいません。

小石の代わりに投げるための小さな玉が置かれています。赤は”恋愛”、青は”健康”、金色が”金運”と願いによって使い分けるようです。

「唐門・本殿」、本殿は世界遺産「日光の社寺」の構成遺産

社殿の裏にはある神木の「滝尾三本杉」、滝尾神社の境内で最も神聖な場所です。
体内の悪いエネルギ-を浄化してくれるパワ-があるといわれています。
今の杉は二代目で樹齢250~300年のもの。
初代の杉が朽ち果てて転がっています。片付けないで放置するのが決まりなのだそうです。

「無念橋」は小さな石橋。この橋を自分の年齢分の歩数で渡ると、女峰山山頂にある奥社に参拝したと同様の功徳が受けられるといわれています。
栃木県に現存する最古の橋で、国の重要文化財。

日光の歴史に触れながら歩ける「滝尾古道」。静かなハイキングコ-スです。