南総の城下町、小江戸「大多喜」

大多喜復元天守閣

千葉県南総に位置する「大多喜」は徳川四天王”本多忠勝’の城下町です。
江戸の情緒が感じられる町並みが今も残っています。
JR五井駅で小湊鉄道に乗車し”上総中野”でいすみ鉄道に乗り換え”大多喜”で下車しました。

大多喜駅前には本多忠勝の人形が飾られています。向かいには「観光案内所・観光本陣」があり散策前に資料や情報を得ることができます。ここではレンタサイクルや人力車の受付もしています。

大多喜城(復元天守閣)は駅から歩いて10分ほどです。「メキシコ通り」と名付けられた通りを歩いて行くと「夷隅(いすみ)川」が見えてきました。展望所があり思いがけなく雄大な渓谷美が見られました。

奥にはいすみ鉄道の鉄橋があります。

「大多喜城」は本丸跡に城郭様式で造られた博物館。 館内には当地に関わりのある刀剣や鎧などを展示しています。 本丸跡を囲むように土塁が残されており、数少ない大多喜城の遺構です。

白亜の櫓は遠目からみても鮮やかです。

大多喜城は「続日本100名城」に選定されています。
隣接する県立大多喜高校の敷地内には大多喜城、唯一の建物遺構「薬医門」があります。
藩主が住んでいた二の丸御殿で使用されていた門。昭和48年に現在の状態に復元されました。薬医門のすぐ横は校舎でちょっと不思議な風景です。
また忠勝が造ったと言われる通称「底知らずの井戸」が当時のままに残されています。

城下町を散策します。来た道を戻り昭和通りに入って行きます。
江戸時代中期創業の酒蔵「豊乃鶴酒造」。代表銘柄の「大多喜城」はキレの良い辛口で評判のお酒です。建物は国の登録有形文化財。
すぐ近くには大正8年創業の「御菓子司 津知家(つちや)」があります。十勝産の小豆を使用した「最中十万石」が人気です。

「大屋旅館」は江戸時代より続く老舗旅館で正岡子規ゆかりの宿として知られています。ここも国の登録有形文化財です。

城下町通りには「商い資料館」や「釜屋」など資料館として内部を見学できる施設があります。
釜屋は明治9年建築の土蔵造りの商家。 一階には帳場があり商用に使われていました。
階段を上り二階にいくと重厚な観音開きの扉が目に着きます。至どころに贅沢な造作が施されています。


「伊勢幸酒店」は明治6年の建築で国の登録有形文化財。現在はお酒の販売はしていませんが、近所の方々が手作りされた民芸品を販売しています。

江戸情緒のある建物が多くみられます。

「渡辺家住宅」は江戸時代末期の商家造りの建物で国の重要文化財。以前テレビ番組”開運なんでも鑑定団”で鑑定士をされていた故渡辺包夫氏の生家です。

江戸情緒残る城下町の町並みをじっくりと散策できました。