「人形と城下のまち」岩槻

岩槻城址公園

さいたま市岩槻は昔から「人形のまち」として知られ、特に節句飾りが有名です。東玉や久月など、人形メ-カ-の店舗や工房が多く見られます。
江戸時代初期、東照宮の造営に携わった匠たちが、岩槻の地で人形つくりを手掛けたのが始まり。大正時代以降、本格的な産地となりました。

2020年には”人形のまち”にふさわしい「岩槻人形博物館」(さいたま市岩槻区本町6-1-1)がオ-プン。
画家で人形のコレクタ-西澤笛畝(てきほ)氏の所蔵品を中心に展示されています。
料金や開館時間などの詳細は公式HPで確認して下さい。

館内は「人形つくりについての紹介」、「コレクション展示」、「企画展」の三つの展示室からなります。

現在の「企画展」では郷土の玩具を展示。

岩槻は「岩槻城」の城下町。岩槻城は戦国時代初期に築城、明治時代初期に廃城となりました。江戸時代には代々譜代大名の居城として引き継がれました。


城跡は「岩槻城址公園」として整備されています。菖蒲池には風情ある赤い橋が架けられ、初夏には池一面がスイレンで覆われます。

岩槻城の「黒門(表門)」や「裏門」などの遺構も残されています。

「堀障子」

城址公園に隣接する”市民会館いわつき”の「レストラン大手門」では地元名物が食べられます。
埼玉県のB級グルメ王決定戦で優勝したこともある「豆腐ラ-メン」です。
とろみのある麻婆豆腐とラ-メンが合体したような食べ物。辛味が強いス-プですが、食べるとくせになる味わいです。

城下町の面影が偲ばれる「裏小路」。昔、武家屋敷が立ち並んでいた所です。

裏小路にはかつて岩槻藩の藩校だった「遷喬館(せんきょうかん)」(さいたま市岩槻区本町4-8-9)があります。
江戸時代、全国に多くの藩校が開校しましたが、今でも残されている建物は少なくなっています。
遷喬館は埼玉県で唯一残された藩校。埼玉県の史跡に指定されています。
入館無料です。「開館時間=9:00~16:30,休館日=毎週月曜日(休日除く)、休日の翌日(土曜日・日曜日・休日を除く)、年末年始」

「時の鐘」(さいたま市岩槻区本町6-229)はかつて岩槻城の鐘楼だったもの。現在でも毎日、朝夕6時と正午に時を知らせています。
江戸時代には各地に設置された”時の鐘”ですが、現在でも時を知らせ続けているのは、上野寛永寺の鐘、川越の鐘、岩槻の鐘の3ヶ所だけ。
その中でも最も古いのが岩槻の鐘です。

裏小路の近くにある酒蔵「鈴木酒造」(さいたま市岩槻区本町4-8-24)。
明治4年創業の酒蔵です。ここのブランド清酒は品評会で何度も金賞を受賞しています。「酒蔵資料館」も併設されています。(見学無料)

「酒蔵資料館」の内部

その他の見所

「久伊豆神社(ひさいずじんじゃ)」(さいたま市岩槻区宮町2-6-55)
「クイズ神社」ともいわれ勝負運に強い神社として知られています。テレビ番組「ウルトラクイズ」の予選会場にもなりました。

「市立岩槻郷土資料館」(さいたま市岩槻区本町2-2-34)

昭和5年建造の岩槻警察署旧庁舎につくられた資料館。建物は国登録有形文化財です。ア-ルデコ調の装飾が随所に見られます。
岩槻の歴史や生活様式に関する展示・解説を行っています。
入館無料。「開館時間=9:00~16:30,休館日=毎週月曜日(休日除く)、休日の翌日(土曜日・日曜日・休日を除く)、年末年始」